決算残高勘定(読み)けっさんざんだかかんじょう(英語表記)closing balance account

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「決算残高勘定」の意味・わかりやすい解説

決算残高勘定
けっさんざんだかかんじょう
closing balance account

大陸式決算法において用いられる集合勘定で,資産,負債および資本の諸勘定が集計される。決算における元帳の締切手続には,英米で一般に行われている英米式決算法とヨーロッパ諸国において広く用いられている大陸式決算法とがあるが,大陸式では元帳記入は必ず仕訳を通じて行うという原則に基づいて,英米式において損益所属勘定を損益集合勘定に振替集合したのと同様に,決算に際して決算残高勘定を設け,棚卸表記載項目ならびに残高を有する諸勘定を仕訳を通じて振替集合が行われ,有高勘定が貸借平均すれば決算の正確性が証明される。決算残高勘定は大陸式決算方法において財産計算勘定である資産,負債および資本に属する諸勘定の閉鎖および開始の有高を処理するために開設される勘定である。

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世界大百科事典(旧版)内の決算残高勘定の言及

【会計帳簿】より

…すべての商人は会計帳簿を作成し,(1)開業のときおよび毎年1回一定の時期における営業上の財産およびその価額,会社では,成立のときおよび毎決算期における営業上の財産およびその価額,(2)取引その他営業上の財産に影響を及ぼす事項を記載しなければならない(商法33条1項)。会計帳簿のうち元帳には,企業のいっさいの勘定が組織的に分類整理され,企業の動態である期間損益を表す集合損益勘定と企業の静態である財産残高を表す決算残高勘定のいずれかに集結される。前者は損益計算書として企業の経営成績を表し,後者は貸借対照表として企業の財政状態を表すことになり,企業の利害関係者に対する情報提供の基礎となる重要な記録である。…

※「決算残高勘定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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