江戸派(読み)エドハ

デジタル大辞泉 「江戸派」の意味・読み・例文・類語

えど‐は【江戸派】

賀茂真淵門人加藤千蔭かとうちかげ村田春海むらたはるみらを中心とする和歌流派歌風古今調または新古今調

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精選版 日本国語大辞典 「江戸派」の意味・読み・例文・類語

えど‐は【江戸派】

〘名〙 江戸にあって活躍した一派をいう。
① 和歌の一流派。賀茂真淵の門人、加藤枝直、加藤千蔭村田春海などが、真淵の死後中心となって、近世後期の歌壇主流となったもの。師の真淵が万葉調であったのに対し、古今、新古今調に江戸の寛闊な趣味を調和させた作風井上文雄清水浜臣など。
※生々流転(1939)〈岡本かの子〉「三囲稲荷(みめぐりいなり)に献額する現代江戸派の俳諧揮毫を頼まれて」
③ 漢画の一派。谷文晃の門をいい、渡辺崋山、椿椿山、高久靄厓などが出た。〔随筆山中人饒舌(1813)〕

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世界大百科事典(旧版)内の江戸派の言及

【短歌】より

…中期に入って,《万葉集》の精神,用語を積極的にとり入れることを主張する賀茂真淵が登場して,以後の短歌史に大きな影響を及ぼした。真淵の門流は県居(あがたい)派と呼ばれたが,やがて分派し,〈江戸派〉(加藤千蔭,村田春海ら),〈鈴屋(すずのや)派〉(本居宣長,加納諸平ら)としてともに競い合った。さらに〈ただごと歌〉を主張した小沢蘆庵,〈調べの論〉を提唱した香川景樹の2人は,反真淵の立場を前面に出すことで,自身の作風を鮮明にした。…

※「江戸派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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