氷柱(読み)こおりばしら

精選版 日本国語大辞典 「氷柱」の意味・読み・例文・類語

こおり‐ばしら こほり‥【氷柱】

〘名〙 夏期など、冷気を得るために立てて置く柱状の氷。ひょうちゅう。《季・夏》
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉自序伝「朝起きてみたら鯱(しゃちょ)こばって人間入りの氷柱(コホリバシラ)ができてゐた、なんてえのは嫌だぜ」

ひょう‐ちゅう【氷柱】

〘名〙 つららのこと。たるひ。また、夏、部屋冷房に用いるこおりばしらもいう。氷筯(ひょうちょ)
※俳諧・番匠童(1689)一一月「つらら 氷柱 銀竹 垂氷」 〔劉叉‐冰柱詩〕

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デジタル大辞泉 「氷柱」の意味・読み・例文・類語

つらら【氷柱/氷】

水のしずくが凍って、軒下や山の岩などに棒状に垂れ下がったもの。垂氷たるひ 冬》みちのくの町はいぶせき―かな/青邨
こおり。
「書き流すあとは―にとぢてけり何を忘れぬ形見とか見む」〈更級
[補説]書名別項。→氷柱
[類語]氷塊氷河氷山氷柱氷片氷層堅氷けんぴょう薄氷はくひょう薄ら流氷氷雪氷霜ひょうそうアイス薄氷初氷

ひょう‐ちゅう【氷柱】

つらら
夏、室内を涼しくするために立てる角柱形の氷。こおりばしら。
[類語]氷塊氷河氷山つらら氷片氷層堅氷けんぴょう薄氷はくひょう薄ら流氷氷雪氷霜ひょうそうアイスアイスバーン薄氷初氷

つらら【氷柱】[書名]

森荘已池もりそういち短編小説。昭和15年(1940)刊行の作品集「店頭」に収録同年の第12回芥川賞の候補作となる。

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普及版 字通 「氷柱」の読み・字形・画数・意味

【氷柱】ひようちゆう

つらら。〔全唐詩話、二、劉叉〕少(わか)くして放肆、~韓天下の士に接すと聞き、して之れにす。冰車の二詩を作る。盧(綸)・孟(郊)の右に出でたり。

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改訂新版 世界大百科事典 「氷柱」の意味・わかりやすい解説

氷柱 (つらら)
icicle

垂氷とも書く。屋根に積もった雪がとけてしたたり落ちるとき,氷点下の気温のために軒下にできる氷の柱のこと。とけた水の量と気温によって,長さ数cm以下の小さなものから,地面にとどく大きなものまである。屋根の上でとけた雪は軒先からしずくとなって落ちるが,気温が低いと落ちる瞬間に凍ってしまう。次にやってきたしずくも同じ過程を繰り返し,しだいに太く,長いつららになる。とける量が多いと石筍のように下からも氷が盛り上がってきて,屋根から地面までつながることもある。住宅の南側や台所の屋根にできやすい。滝が凍ってしまったものは氷瀑という。
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