氷川丸(読み)ヒカワマル

デジタル大辞泉 「氷川丸」の意味・読み・例文・類語

ひかわ‐まる〔ひかは‐〕【氷川丸】

日本郵船会社所属の貨客船。全長163.3メートル。総トン数1万1622トン。昭和5年(1930)、シアトル航路用に建造太平洋戦争の際には病院船として活躍し、戦後ニューヨークやシアトル航路に復帰した。引退後は横浜市山下公園係留し、観光名所として親しまれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷川丸」の意味・わかりやすい解説

氷川丸
ひかわまる

日本郵船会社所属の貨客船。1930年(昭和5)4月25日、横浜船渠(せんきょ)(後の三菱(みつびし)造船会社、現三菱重工業)において完成。1万1622総トン、長さ163.3メートル、幅20.14メートル、主機ディーゼル1万1000馬力、速力18ノット。姉妹船日枝(ひえ)丸、平安丸とともにシアトル航路に就航太平洋を横断すること238回、その間2万5000人以上の船客を運んだ。第二次世界大戦においては、海軍に徴用され特殊病院船となっていたため、戦後まで生き残ることができた数少ない例となった。1953年(昭和28)シアトル航路に復帰、1960年まで就航、翌1961年新たに設立された氷川丸観光会社に移籍、同年6月2日の横浜開港記念日に横浜港山下公園に係留して海上ユースホステルとして開業し、観光名所として親しまれていたが、2006年(平成18)運営会社の氷川丸マリンタワー株式会社の解散に伴い、日本郵船に譲渡。日本郵船は2007年に保存修復工事を開始し、2008年からふたたび山下公園で係留、公開した。横浜市の有形文化財指定されている。

[茂在寅男]

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百科事典マイペディア 「氷川丸」の意味・わかりやすい解説

氷川丸【ひかわまる】

1930年,シアトル航路の輸送力強化のため日本郵船が建造した日本の代表的貨客船。1万1622総トン,16ノット。第2次大戦では病院船。廃船後1961年以降,横浜山下公園の岸壁に係留。2006年12月,公開終了。

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事典・日本の観光資源 「氷川丸」の解説

氷川丸

(神奈川県横浜市中区)
かながわ未来遺産100」指定の観光名所。

氷川丸

(神奈川県横浜市中区)
東京湾100選」指定の観光名所。

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