氷室岳(読み)ひむろがだけ

日本歴史地名大系 「氷室岳」の解説

氷室岳
ひむろがだけ

伊陸いかちと北接する現玖珂くが周東しゆうとう祖生そおとの境界にそびえる。標高五六二・六メートル。一名高山寺こうざんじ嶽。南麓の標高二〇〇メートル以下は緩斜面となり、独立した尖峰で周防の富士山とも称される。登山道には、伊陸の字門前もんぜんから奥畑おくはたを経て登る小道がある。

氷室とはヒムラ(霊叢)、すなわち精霊のとどまる山の意から名付けられたという(玖珂郡志)。山岳信仰の山で、氷室社之縁起(「玖珂郡志」所収)には「三山祇神ハ氷室嶽御神、罔象女命ハ氷室池ノ御神霊、周防国富士権現ト云(中略)、社地、昔奉氷室嶽八分」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android