精選版 日本国語大辞典 「水鳥の」の意味・読み・例文・類語
みずとり‐の みづとり‥【水鳥の】
枕
※万葉(8C後)八・一五四三「秋の露は移しにありけり水鳥乃(みづとりノ)青葉の山の色づく見れば」
③ 鴨の羽交(はがい)の意で、「羽交」と同音を含む地名「羽易(はがい)の山」にかかる。
※続後撰(1251)冬・四八六「払ひかねうきねにたへぬ水鳥のはかひの山も霜や置くらん〈藤原家良〉」
④ 水鳥の飛び立つ意で、「立つ」にかかる。
※万葉(8C後)一四・三五二八「水都等利能(みヅトリノ)立たむ装(よそ)ひに妹(いも)のらに物云はず来にて思ひかねつも」
⑤ 水鳥が水の上に浮いたままで寝たり、年を経たりするところから、「浮き寝」と同音の「憂き寝」に、また、「憂きて経(ふ)」にかかる。
※後撰(951‐953頃)恋四・八三七「浪の上に跡やは見ゆる水鳥のうきて経ぬらん年はかすかは〈よみ人しらず〉」
⑥ 水鳥の泳いでいったあとの波がすぐ消えるところから、「はかなき跡」にかかる。
※後撰(951‐953頃)恋四・八三六「水鳥のはかなきあとに年を経てかよふ許のえにこそ有けれ〈よみ人しらず〉」
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