水質保全(読み)すいしつほぜん

百科事典マイペディア 「水質保全」の意味・わかりやすい解説

水質保全【すいしつほぜん】

水質汚濁を防ぐこと。法的な方策がとられたのは英国が一番古く,1876年に河川汚濁防止法が,以降1930年代までに,サケおよび淡水魚法,下水道条令,工場下水条令などが定められている。日本では1958年に〈公共用水域水質保全に関する法律〉(水質保全法),〈工場排水等の規制に関する法律〉(工場排水等規制法)を制定,1970年にはこの両法を廃して,水質汚濁防止法を制定した(1971年施行)。このほか湖沼の水質の富栄養化を防止するための〈湖沼水質保全特別措置法〉(1985年施行),瀬戸内海の水質保全のための〈瀬戸内海環境保全特別措置法〉(1978年に〈臨時措置法〉を改正)などがある。
→関連項目産業排水水質基準水汚染

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水質保全」の意味・わかりやすい解説

水質保全
すいしつほぜん
preservation of water quality

飲料水,工業用水魚介類成育,環境保全その他,公共用水域の水の役割が水質汚濁により阻害されるのを防ぐこと。そのためには多方面にわたる施策が必要である。公害対策基本法は,水の用途に応じて,河川,湖沼,海域ごとに環境基準を定め,この基準を達成するために,水質汚濁防止法海洋汚染防止法など一連の規制が定められており,また下水道の普及設置などにより汚濁の防止がはかられている。下水道は,1976年度には処理地域内人口割合 18.6%であった普及率を,92年3月までに約 45%にまで引上げた。規制面では総量規制の導入を急ぎ実施する方向にある。また PCB水銀などで汚染された底質やへどろ浚渫などが実施されている。

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