水無川(読み)みなしがわ

精選版 日本国語大辞典 「水無川」の意味・読み・例文・類語

みなし‐がわ ‥がは【水無川】

万葉(8C後)一〇・二〇〇七「ひさかたの 天つしるしと 水無川(みなしがは) 隔てて置きし 神代し恨めし」
[2] 水の流れが絶える意で「絶ゆ」にかかる。
※万葉(8C後)一一・二七一二「言とくは 中はよどませ 水無河(みなしがは) 絶ゆといふ事を ありこすなゆめ」

みずなし‐がわ みづなしがは【水無川】

〘名〙 涸(か)れて水のない川。

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日本歴史地名大系 「水無川」の解説

水無川
みずなしがわ

市域北辺にある丹沢たんざわ山塊のとうノ岳(一四九〇・九メートル)に発する本谷ほんたに沢・源次郎げんじろう沢と、行者岳ぎようじやがたけ(一二〇九メートル)に発するセドノ沢、烏尾からすお(一一三六メートル)に発するヒゴノ沢が合流して水無沢となり、水無川と名を変えて市域のほぼ中央を南東へ流れる。秦野盆地東端むろ川と合流、さらに金目かなめ川に合流して平塚市に入り相模湾に注ぐ。水無川の流路一三キロ。右岸台地を並行して流れる堀と、左岸戸川とかわ三屋さんやを並行して流れる用水の流末が流れ込むほかに支流がない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水無川」の意味・わかりやすい解説

水無川
みずなしがわ

普段は表流水がなく、降雨後や洪水のときだけ水が流れる川。末無川(すえなしがわ)ともいう。砂漠ワジwadiのように降水量が少なく、蒸発量がこれを上回るために表流水が消失する場合と、湿潤地域でも扇状地上を流れる川のように、地表面が透水性の大きい物質からなる所で伏流浸透して表流水がみられない場合とがある。上流部が湿潤地域にあっても乾燥地域に流入して水流が消失する例が多い。間欠河川間断河川、一時河川、断続河川などはいずれも水無川である。砂漠でも降雨後には奔流となって流れることがあり、河谷を形成する。アメリカ合衆国の乾燥地域ではアロヨarroyoとよばれる。谷底は平坦(へいたん)で交通路として利用されることもある。

[髙山茂美]

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