水戸市(読み)ミトシ

デジタル大辞泉 「水戸市」の意味・読み・例文・類語

みと‐し【水戸市】

水戸

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日本歴史地名大系 「水戸市」の解説

水戸市
みとし

面積:一四五・九六平方キロ

関東平野の北東部に位置し、県の中央よりやや太平洋岸寄りにあり、県庁所在地。市の北東を那珂川が北西から南東に流れ、流域は河岸段丘沖積平野を形成し、那珂川と千波せんば湖の低地に挟まれた東西に長い台地が中心市街地。北西部は八溝やみぞ山系に属する鶏足とりあし山塊の丘陵地で、東南部には台地が広がる。藤井ふじい川・田野たの川・桜川が那珂川に注ぎ、沢渡さわたり川・さかさ川は桜川に注ぐ。北西は東茨城郡常北じようほく町と笠間市、南西は東茨城郡内原町、南は東茨城郡茨城町、南東は東茨城郡常澄つねずみ村に接し、北東はほぼ那珂川を境界として那珂郡那珂町・勝田市に対する。国道六号・五〇号・五一号・一一八号・一二三号・三四九号が市内を通り、水戸駅は国鉄水郡線・水戸線の起点で、常磐線の主要駅である。

水戸は水門みなと・江戸などとともに海水や湖水の出入口に付けられた名称で、那珂川と千波湖に挟まれた台地の先端が水戸とよばれるようになったのは地形上の特色に由来する。台地の先端に鎮座した神は古くから水戸明神とよばれ、桜川対岸の吉田よしだ神社(現宮内町)の末社と言伝えてきたが、それが史料上に現れるのは鎌倉時代の年未詳の吉田社神事次第写(吉田神社文書)で、そのなかに「十一月寅日御神事御祭高禰宜付水戸宮」とみえる。のち同社は吉田神社境内に移され、さらに明治二年(一八六九)笠原かさはら不動院(現笠原町)に移された。また応永年間(一三九四―一四二八)と推定される武熊村田数注文写(吉田薬王院文書)・武熊村田在家目録写(同文書)にはそれぞれ「一反 水戸はし 円通寺」「一反大 水戸はしのわき 円通寺知行」とある。これは水戸橋のわきにある円通えんつう寺がたけ(竹)くま(現東台一丁目)の土地一反を所持していたことを示すが、この「水戸」は円通寺の所在地の小字名と考えられる。のち江戸通房が水戸地方を支配していた享徳四年(一四五五)加倉井妙徳かくらいみようとく寺棟札に、寄進者の一人として「水戸上郎」(上郎は上臈の意で江戸氏の家族か)の名がみえ、「和光院年代記」の寛正二年(一四六一)には「水戸藤福寺」とある。したがって「水戸」が一府の名称となったのは一五世紀の中頃以降と考えられる。

しかし江戸氏時代には地形上の特徴から一方で水戸を江戸と称した例もあり(吉田神社文書)、また旧来の吉田郷の俗称から水戸周辺を吉田と称することもあった(六地蔵寺文書)ので、水戸・江戸・吉田が併用されていたようである(水戸市史)。次の佐竹氏時代には「水戸」「三戸」と書いた。

水戸市
みとし

2005年2月1日:水戸市が東茨城郡内原町を編入
【水戸市】[変更地名]茨城県
【内原町】茨城県:東茨城郡

水戸市
みとし

1992年3月3日:水戸市が東茨城郡常澄村を編入
【常澄村】茨城県:東茨城郡
【水戸市】茨城県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水戸市」の意味・わかりやすい解説

水戸〔市〕
みと

茨城県中部,那珂川の下流域にある市。県庁所在地。 1889年市制。 1933年常磐村,1952年上大野村の一部と緑岡村,1955年渡里村,吉田村,上大野村,柳河村の4村と河和田村,酒門村の一部,1957年飯富村,国田村の2村,1958年赤塚村,1992年常澄村,2005年内原町をそれぞれ編入。市街地は那珂川と千波湖に挟まれた細長い台地 (上市) と低地 (下市) を中心に広がる。鎌倉時代に大掾 (だいじょう) 氏が築城,慶長 14 (1609) 年徳川頼房が封じられ,以後徳川御三家の一つ水戸藩 35万石の城下町として発展。頼房とその子光圀 (→徳川光圀 ) によって大規模な城下町としての整備拡張が行なわれ,特に寛文3 (1663) 年光圀が完成させた笠原水道は有名である。明治4 (1871) 年県庁が置かれ,以来県の行政,文化の中心になっている。郊外では野菜,特にゴボウの栽培が盛ん。製粉,食品加工も行なわれる。水戸納豆は特産。商圏はおもに県北に広がる。愛宕山古墳,吉田古墳,大串貝塚は国の史跡。旧弘道館は国の特別史跡に指定される。国指定史跡および名勝の偕楽園は金沢の兼六園,岡山の後楽園とともに日本三名園。ウメの名所としても知られる。水戸城跡旧弘道館,および偕楽園,千波湖などを合わせた地域は水戸県立自然公園となっている。内原の中崎家住宅は国の重要文化財。白旗山八幡宮のオハツキイチョウは国の天然記念物。国道6号線,50号線,JR常磐線が通る。 JR水郡線,鹿島臨海鉄道の起点。西部に常磐自動車道のインターチェンジがある。面積 217.32km2(境界未定)。人口 27万685(2020)。

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