水性塗料(読み)すいせいとりょう(英語表記)water paint

精選版 日本国語大辞典 「水性塗料」の意味・読み・例文・類語

すいせい‐とりょう ‥トレウ【水性塗料】

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デジタル大辞泉 「水性塗料」の意味・読み・例文・類語

すいせい‐とりょう〔‐トレウ〕【水性塗料】

水を溶剤または分散剤とする塗料。取り扱いが便利で、室内の壁塗りなどに用いられる。耐水性には乏しい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水性塗料」の意味・わかりやすい解説

水性塗料
すいせいとりょう
water paint

水を溶剤とした塗料の総称エマルジョン系、骨材入りエマルジョン系、水溶性プラスチック系に分けられ、通常はエマルジョン塗料とよばれている。水性ペイントともいう。プラスチックには一般にポリ酢酸ビニルポリスチレンスチレン‐ブタジエン共重合物、アクリル酸エステル共重合物のエマルジョン(乳濁液)が多い。これらは塗膜の形成法により加熱硬化型と常温硬化型とがある。前者にはスチレン‐ブタジエン系やアクリル酸エステル系が、後者には酢酸ビニル系などがある。水性塗料の一般的な特徴は、水が溶剤の役割をしているので火災や環境汚染の心配が少ない。しかも塗膜はいったん乾燥すると耐水性があり、また耐アルカリ性もよいのでコンクリート、モルタルなどに使用できる。エマルジョンを形成している樹脂の小さな粒子の融合によって塗膜が形成される。そのために光沢は乏しい。常温硬化型はおもに建築物の屋内・屋外塗装用として静電スプレー塗装されることが多い。加熱硬化型は、自動車用プライマーprimerの塗料の塗布の際に、素材との密着をよくするため、表面にあらかじめ塗布する下塗り塗料として使用されている。

垣内 弘]

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改訂新版 世界大百科事典 「水性塗料」の意味・わかりやすい解説

水性塗料 (すいせいとりょう)
water(base)paint

塗料の助要素の主成分が水である塗料の総称。水性ペイントともいう。通産省の統計分類では,水系塗料を,エマルジョン系,骨材入りエマルジョン系,水溶性樹脂系に分けている。水に溶けている樹脂および水にコロイド状に分散している塗料とエマルジョン塗料を含めて水性塗料という。電着用塗料も上記に属する。水性塗料に使用している樹脂の組成によって分類すれば,エマルジョン塗料は別にして,水溶性ポリエステル樹脂,水溶性アクリル樹脂など通常塗料に使用している樹脂は水溶化が可能である。硬化方式としては,自然乾燥型と焼付型とがある。環境浄化の塗料の最右翼の塗料であるが,水の特殊性質により,電着用塗料以外は大きく普及するまでには至っていない。焼付型では電着用塗料が大きな量を占めており,全世界で生産される自動車車体の75%に対して使用されている。次いでコイルコーティング用塗料であり,主として缶用である。自然乾燥型はエマルジョン塗料を除き,あまり使用されていない。
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百科事典マイペディア 「水性塗料」の意味・わかりやすい解説

水性塗料【すいせいとりょう】

水性ペイントとも。水を溶剤または分散剤とした塗料。エマルジョン系,骨材入りエマルジョン系,水溶性樹脂系がある。電着用塗料として自動車の車体塗装の際の下塗用のほか,壁などの室内塗装に使用。
→関連項目合成樹脂塗料ペイント

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化学辞典 第2版 「水性塗料」の解説

水性塗料
スイセイトリョウ
water paint

顔料展色剤として油を使用するかわりに,にかわ,カゼイン,溶性デンプン,アラビアゴム水ガラスなどの水溶液を使用したもの.一般には,光沢のない塗膜を生じ雅趣に富むが,耐水性に乏しいので室内用の塗料として用いられる.

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