水力紡績機(読み)すいりょくぼうせきき(英語表記)water frame

百科事典マイペディア 「水力紡績機」の意味・わかりやすい解説

水力紡績機【すいりょくぼうせきき】

ウォーター・フレームとも。アークライト発明特許を得た紡績機。異なる速度で回転する2対のローラーで繊維束を延伸する。水車動力とし連続的作業で強力な糸を紡出,それまでのジェニー機では困難だった綿経糸(たていと)の大量供給を可能とし,産業革命期の英国綿工業確立に大きく寄与した。
→関連項目ハーグリーブズ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水力紡績機」の意味・わかりやすい解説

水力紡績機
すいりょくぼうせきき
water frame

水力を動力とした紡績機。ウォーターフレームとも呼ばれる。1769年イギリスの発明家リチャード・アークライトが特許を取得した。ジェームズ・ハーグリーブズが発明したジェニー紡績機による糸が,強度の点で弱く,緯糸(よこいと)にしか使用できなかったのに対し,水力紡績機は経糸(たていと)に適した綿糸をつくることが可能だった。(→産業革命紡績工業

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旺文社世界史事典 三訂版 「水力紡績機」の解説

水力紡績機
すいりょくぼうせきき

アークライト

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世界大百科事典(旧版)内の水力紡績機の言及

【工場】より

…昔ながらの紡車に取って代わった最初の紡績機はハーグリーブスのジェニー機(1770特許)であるが,手で操作でき,小型で安価であったから,旧来の家内工業に広く取り入れられた。紡績業を家内工業から工場制度に変えたのは,アークライトの水力紡績機(1769特許)であった。彼の初めの工場では動力源は馬力であったが,1771年ダーウェント川のほとりに設立されたクロムフォード工場では水力が利用された。…

【紡績】より

…しかし経糸(たていと)用綿糸には不向きであった。R.アークライトは69年,ワイアットのローラードラフトとフライヤー付紡車とを組み合わせ,水力で自動的に紡績できる水力紡績機を発明した。この機械の原理は今日のフライヤー精紡機と同じで,生産性が高く,経糸用綿糸にも適していた。…

※「水力紡績機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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