気配(読み)きはい

精選版 日本国語大辞典 「気配」の意味・読み・例文・類語

き‐はい【気配】

〘名〙
① 気をくばること。気くばり。心くばり。〔書言字考節用集(1717)〕
有様様子。けはい。景気
暑中休暇(1892)〈巖谷小波〉二「突然(いきなり)横合に人の来る気勢(キハイ)がする」
気分気持
洒落本・虚誕伝(1775)「四方(よも)山の咄しのうち、彼女郎の気(キ)はい取なりに、気を付(つけ)かんがへ見る事」
市場の人気。相場の様子。また、出来値ではなく、売方と買方の希望する値段を反映した相場。けはい。
※改正増補和英語林集成(1886)「イトノ kihai(キハイ)ガ ヨイ」

け‐はい【気配】

〘名〙 (「けわい」の歴史的仮名づかい「けはひ」の当て字「気配」にひかれたよみ)
① 漠然と感覚によってとらえられる物事の様子。そぶり。ようす。→けわい
明暗(1916)〈夏目漱石〉一六九「破れた穴から青い輝きを洩らしさうな気配(ケハイ)を示した」
② 市場の景気や相場の状態。また、実際取引はできてないが、大体この見当だろうという値段。気配値。きはい。

き‐くばり【気配】

〘名〙 いろいろと気をつけて注意していること。こころづかい。気苦労
※俳諧・小町踊(1665)春「気くはりはこころの華の枝葉かな〈久之〉」
※姉と弟(1892)〈嵯峨之屋御室〉三「小児(こども)が往ったなら夫人の気配(キクバリ)が多くなる故」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「気配」の意味・読み・例文・類語

け‐はい【気配】

《古くは「けわい」。「けはい」は、当て字「気配」に引かれた読み》
はっきりとは見えないが、漠然と感じられるようす。「秋の気配」「好転の気配がみえる」→けわい
取引で、市場の景気や相場の状態。きはい。
[類語](1空気状態有りさま有りよう様子ようす動静様相模様態様様態具合ぐあい状況概況情勢形勢容体調子性状事態雲行き風向きシチュエーション雰囲気気分感じムードアトモスフィア佇まい気色におい/(2景気景況市況商況商状売れ行き金回り

き‐はい【気配】

けはい(気配)1」に同じ。
「何か門に近づく―がする」〈木下尚江良人の自白
けはい(気配)2」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の気配の言及

【取引所】より

…この整理は,ある程度時間をかけて進む場合と,株価の値下がりで進む場合とがあるが,前者を〈日柄整理〉,後者を〈値幅整理〉という。 気配(けはい)〈きはい〉とも読む。取引所内での実際に成立した値段ではなく,売方,買方の唱える値段で,たとえば買方がある銘柄を701円買いを,売方が702円売りを唱えた場合,〈1カイ2ヤリの気配〉という。…

※「気配」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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