気功(読み)キコウ

デジタル大辞泉 「気功」の意味・読み・例文・類語

き‐こう【気功】

中国古来の自己鍛練法。呼吸法と体操によって体内気血循環をよくし、病気予防・健康維持を図るもの。気功療法。

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精選版 日本国語大辞典 「気功」の意味・読み・例文・類語

き‐こう【気功】

〘名〙 中国の自己鍛練法。呼吸法と体操によって体内の気と血の循環をよくし、病気予防と健康維持をはかる。

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百科事典マイペディア 「気功」の意味・わかりやすい解説

気功【きこう】

中国の伝統体育療法の一つ。気功という言葉自体は新しく,一般に定着したのは南京中医学院主編《中医学概論》(1958年―1959年)の出版以降である。それ以前は中国最古の医書《黄帝内経(こうていだいけい)》にある〈導引吐納(どういんとのう)〉の流れをくむ技術として,〈五禽戯(ごきんぎ)〉,〈内功(ないこう)〉など各種の名称で呼ばれていた。坐位臥位などの姿勢をとって呼吸をととのえ,時に四肢・上体を動かし,精神の集中を通して体調をととのえ,さらには疾病予防・療養を目的として行われる。1973年,馬王堆3号漢墓(湖南省長沙市)から出土した医書の中に,運動の姿勢を描いた布(導引図)が発見され,伝統的医術の具体的資料として世界の注目を浴びた。現在では中国伝統医学を構成する重要な領域の一つとして臨床応用され,多方面から研究されている。なお,日本には平安時代に伝えられ江戸時代に広く普及したが,明治時代以後はかえりみられることがなかった。しかし,1980年代以降健康ブームの波にも助けられ,健康体操の一つとして,また体系的な医学として注目されている。→
→関連項目太極拳代替療法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気功」の意味・わかりやすい解説

気功
きこう

中国古来の健康法。「気功」という言葉は晋代の文献に既に見られるが,従来は「導引」「吐納」「行気」などと称されることが多かった。 1950年代,中国の劉貴珍 (1920~83年) が気功療養院を設立し専門書を著わしたことなどから,「気功」という名称が広まり定着した。「気」の解釈には各種あるが,人間の呼吸する空気の気であり,また人体の生命活動エネルギー (内気) でもある。この内気を重視し,その力を高めてそれを利用するのが気功の特徴といえる。中国古典の『老子』『荘子』などに気功に関する記述がある。数多くの分派があるが,道家,儒家,仏家の3系統に大別できる。また,目的によって分けると,格闘技の鍛練法としての「硬気功 (武術気功) 」と,病気の治療や健康維持のための「軟気功 (医療気功,保健気功) 」とになる。現在,気功には次の3要素があると認められている。 (1) 全身をリラックスし,ある特定の姿勢を保持する。 (2) 気の鍛練──呼吸の鍛練と内気の鍛練。 (3) 身体のある部位に精神を集中し,いわゆる無念無想状態を誘発する。

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