気上(読み)きじょう

精選版 日本国語大辞典 「気上」の意味・読み・例文・類語

き‐じょう ‥ジャウ【気上】

〘名〙
上気すること。驚きや緊張などのために、のぼせること。
小右記‐永観二年(984)一〇月一〇日「被仰云、玉冠甚重、已可気上
② (気持の上の意) 気持。また、気持に含むこと。ある考えを気持に含むこと。
太平記(14C後)一二「欝陶を心中に挿(さしはさ)み、嗔恚を気上に隠し、退出せられけり」

け‐あが・る【気上】

〘自ラ四〙 神経がたかぶって、のぼせる。逆上する。けのぼる。きあがる。けがあがる。
九暦‐逸文・天慶二年(939)三月二三日「少納言俊房・気上不東西云々」
※猫又先生(1919)〈南部修太郎〉「先生の女のやうな細い声に、やや気上(ケアガ)った調子さへ加はって来たのである」

け‐のぼ・る【気上】

〘自ラ四〙 頭部や顔がのぼせる。上気する。逆上する。けあがる。
※河内本源氏(1001‐14頃)若菜下「『つつまし』と、物を思ひつるに、けのほりぬるにや、いとさいふばかり臆すべき心弱さとはおぼえぬを」

き‐あがり【気上】

〘名〙 のぼせること。逆上。上気。〔文明本節用集(室町中)〕
※咄本・初音草噺大鑑(1698)二「『猿にこのみをみせたやうにござる』『いかにも時々気あがりがする物じゃ』」

き‐あが・る【気上】

〘自ラ四〙 上気する。のぼせる。逆上する。〔和玉篇(15C後)〕
浄瑠璃津国女夫池(1721)三「くっと気あがり、顔は天火

き‐のぼせ【気上】

〘名〙 気が逆上すること。気持がうわずること。のぼせること。上気。
滑稽本和合人(1823‐44)三「アアやかましい、やかましい、気のぼせがするは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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