民事裁判権(読み)ミンジサイバンケン

デジタル大辞泉 「民事裁判権」の意味・読み・例文・類語

みんじさいばん‐けん【民事裁判権】

私人間の紛争利害衝突裁判によって強制的に解決することができる国の権限。→刑事裁判権民事訴訟裁判権

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民事裁判権」の意味・わかりやすい解説

民事裁判権
みんじさいばんけん

民事訴訟を処理するための国家統治権の一部である権限。裁判によって当事者を拘束し,執行において債務者を強制し,その付随手段として送達公証を行い,また当事者,第三者を呼出して尋問し,これに応じない場合には制裁を科する等の権能を総称する。統治権の一作用として国内の民事訴訟につき人的,物的支配を及ぼすのが原則であるが,治外法権をもつ者には当然には及ばない。民事裁判権の存在は訴訟要件の一つであるため,これを欠く訴えは不適法として却下される。これを看過した判決上訴で争えるが,再審事由ではないから判決確定後は争えない。しかし,その判決の内容上の効力 (たとえば既判力,形成力,執行力 ) は生じないと解される。

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世界大百科事典(旧版)内の民事裁判権の言及

【裁判権】より

…国家統治権の一部であり,司法権と同義であるが,その及ぶ事件または人との関係を問題とするときは裁判権というのが普通である。民事裁判権(非訟裁判権,行政裁判権を含む)と刑事裁判権に大別される。民事裁判権は,裁判によって法律関係を確定または形成し,執行によって権利を強制的に実現する権限を,刑事裁判権は,犯罪事実を認定し犯人に対して刑罰その他の処分を定める権限を,その主要内容とする。…

※「民事裁判権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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