け‐がえ ‥がへ【毛替】
〘名〙
①
江戸時代、畑に作るべき
作物を田で作ること。稲を作る田へ収益性の低い粟、稗などを栽培することは、
年貢の
減収につながるので
幕府はこれを禁じたが、禁をおかす者には
木綿、麻などの高率田租を課した。
※徳川政務秘録‐差出方掛申渡留「向後毛替をなしたる分は小前帳を差出させて相改め」
②
家畜を交換すること。特に
戸主が死んだとき、その家で飼っていた家畜を入れかえること。
※梵舜本沙石集(1283)八「駄はもちにくし、雄馬にかふべしとて、〈略〉我駄よりもおとりたりけれども、雄馬なればと思て、毛がへにしてかへりけり」
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デジタル大辞泉
「毛替」の意味・読み・例文・類語
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世界大百科事典(旧版)内の毛替の言及
【毛】より
…マタギの間には〈毛ボカイ〉といって,カモシカやクマを捕らえると,はいだ毛皮を獲物の上に反対にかけ唱言をして引導をわたす風習もある。また〈毛替(けがえ)〉といって,主人が死ぬと,その家で飼っているウマ,イヌ,ネコなどの家畜を他へ売ったり,毛色の異なるものと替える風もある。【飯島 吉晴】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」