旺文社世界史事典 三訂版 「毛 沢東」の解説
毛 沢東
もうたくとう
Máo Zé-dōng
中国の政治家
字 (あざな) は潤之 (じゆんし) 。湖南省の中農の出で,長沙の師範学校に学んで左翼運動を実践し,北京大学図書館に勤務していたころマルクス主義を知った。1921年の中国共産党結成に参加し,以後,労働者・農民の組織づくりに奔走,27年の国共分裂後は朱徳 (しゆとく) と最初の共産軍(紅軍)をつくり,政治面を担当した。1931年江西省瑞金 (ずいきん) に中華ソヴィエト共和国を建ててその臨時主席となり,1934〜36年の長征中,35年の遵義会議で党内における指導権を確立した。日中戦争開始後,第2次国共合作を成立させて党勢を拡大し,戦後は国民党政権を破り,1949年人民解放軍を率いて北京にはいり,中華人民共和国を樹立してその政府主席となった。その後,1958年から大躍進政策をとるが,その失敗のため59年にはその地位を劉少奇 (りゆうしようき) に譲ったが,党主席の地位は維持。1966年に文化大革命を提起して,69年に劉少奇・鄧小平らを排除し,71年に林彪の反逆をおさえたが,晩年は,急進派・実務派の対立のなかに,後継者を確定させずに死去した。『新民主主義論』『実践論』『矛盾論』などの著書・論文の他に詩作も多い。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報