比重計(読み)ひじゅうけい(英語表記)densimeter

日本大百科全書(ニッポニカ) 「比重計」の意味・わかりやすい解説

比重計
ひじゅうけい
densimeter

比重測定する器具総称。おもに液体の比重測定に使われる代表的な比重計として比重瓶浮き秤(ばかり)などがある。固体用としてはばね秤(ぜんまい秤ともいう)やニコルソンの浮き秤気体用としてはガス天秤(てんびん)などがある。

 比重瓶の中に決まった体積の4℃の水を入れて重さWを量り、次にこれと同体積の液体を入れて重さW´を量る。WW´と瓶の重さWからその液体の比重Sを求めることができる。浮き秤は下部におもりを封入した細長いガラス管で、これを測定しようとする液体に入れて、液面の位置を浮き秤上部の目盛りから読み取ると比重がわかる。ばね秤は、測定しようとする固体を空気中の上の皿にのせたときの重さWと、水中の下の皿にのせたときの重さW´をばねの伸びから求めると、WW´から比重が求められる。

[石川光男]


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百科事典マイペディア 「比重計」の意味・わかりやすい解説

比重計【ひじゅうけい】

比重測定用の器具の総称。比重ばかり(たとえば,ウェストファール比重計)では一定のおもりを液中に沈め,それに作用する浮力をてんびんではかって液の比重を知る。浮秤も浮力を利用する。比重びんでは特定容器に別々に水と液(固体の比重をはかるときは水だけと,固体と水)をみたして重さをはかり,比較して比重を求める。

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化学辞典 第2版 「比重計」の解説

比重計
ヒジュウケイ
specific gravimeter, hydrometer

広義には,物質の比重の測定に用いられる器具,装置の総称であるが,狭義には,液体の比重の測定に用いられるうきばかりをさす.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「比重計」の意味・わかりやすい解説

比重計
ひじゅうけい
densimeter

比重を測定する器具の総称。比重秤,浮き秤,比重瓶などがある。測定物質の性質形状に応じて適当に用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「比重計」の意味・読み・例文・類語

ひじゅう‐けい ヒヂュウ‥【比重計】

〘名〙 比重を測定する装置。比重秤、比重瓶などがある。〔電気訳語集(1893)〕

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デジタル大辞泉 「比重計」の意味・読み・例文・類語

ひじゅう‐けい〔ヒヂユウ‐〕【比重計】

比重を測定する器具。浮きばかり・比重瓶などがある。

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栄養・生化学辞典 「比重計」の解説

比重計

 比重を測定する器具.通常液体の比重を計る浮きばかり.

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世界大百科事典 第2版 「比重計」の意味・わかりやすい解説

ひじゅうけい【比重計 specific gravity meter】

密度,比重を測定する装置・計器の総称。測定対象(固体,液体,気体),状態(粉・粒体,加圧液体など)に対応して多くの種類がある。 固体用には,試料を液体中につって秤量し,空気中との差から比重を求める比重てんびん,試料を一定体積の容器にはかりとり,液体を満たして秤量し,比重を求める比重瓶がある。また,ボイル法則を利用し,気体の圧力から試料の体積を求める比重計(図1)がある。比較用ピストンを押して最終位置にきたときに差圧計の指示が0となる測定用ピストンの位置を0点とし,次に試料をはかり入れ,前と同じ操作を繰り返す。

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