比重瓶(読み)ひじゅうびん(英語表記)pycnometer

翻訳|pycnometer

精選版 日本国語大辞典 「比重瓶」の意味・読み・例文・類語

ひじゅう‐びん ヒヂュウ‥【比重瓶】

〘名〙 おもに液体比重測定するためのガラス製の小瓶。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

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デジタル大辞泉 「比重瓶」の意味・読み・例文・類語

ひじゅう‐びん〔ヒヂユウ‐〕【比重瓶】

比重計の一。主に液体の測定に用いる。小形のガラス瓶で、試料と水の重さを測定して比重を求める。ピクノメーター

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改訂新版 世界大百科事典 「比重瓶」の意味・わかりやすい解説

比重瓶 (ひじゅうびん)
pycnometer

ピクノメーターともいう。液体,固体の比重・密度を測定するために一定体積の試料をはかりとる容器。液体用比重瓶は,乾燥させたからの容器をW秤量し,次に蒸留水を標線まで入れてWwと秤量し,からの秤量との差を水の比重dwで割算すると体積を得るので,試料を同様に入れてWlと秤量し,からの秤量との差を体積で割算して,液体の比重dlを得る。となる。体積の精度をあげるため標線部を細くする。蒸発を防止するためふたをするなどの改良を施したものを用い,蒸留水や試料の温度を一定にし,秤量時の空気の比重を知り,空気浮力の補正を行えば精密な測定が可能である。固体用比重瓶は体積Vの容器Woに試料Wをはかり入れ,次いで比重dlの液体を標線まで加えてWmと秤量すると試料の体積が計算できるので,比重dsを,

として求める。化学製品やセメントなどの粉体の比重測定に用いるのがル・シャトリエ比重瓶で,上下二つの球部の間の目盛線まで試料をとかしたりしない液体を入れ,次いで質量を測定した試料を入れ上昇した液面から試料の体積を知り,比重を求める。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「比重瓶」の意味・わかりやすい解説

比重瓶
ひじゅうびん
pycnometer

液体あるいは固体の比重または密度を測定するための小形ガラス容器で、目的用途に応じてさまざまな形状のものが使われる。ピクノメーターともいう。容器の内容積を求めておき、一定温度で密度未知の液体を満たしたものの重量を測定し、空容器の重量を差し引いて内容積で割れば密度を得る。高粘度液体や固体の密度もほぼ同様の原理で測定される。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版 「比重瓶」の解説

比重瓶
ヒジュウビン
pycnometer

ピクノメーターともいう.主として液体の比重を測定するための容器.毛管を備えたガラス製の軽い小瓶で,これに液体を満たし栓をする.恒温槽に入れて内液を恒温にする.あふれる液体はぬぐってから重量を測る.同一操作により純水の重量を測り,その比から液体の比重が求められる.また固体を比重瓶に入れ,液を満たし,同様の操作により固体の比重を測ることもできる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「比重瓶」の意味・わかりやすい解説

比重瓶
ひじゅうびん
pycnometer; specific-gravity bottle

比重計の1種。ピクノメータともいう。粒状や細片状の固体または液体の比重や密度の測定用に使用するガラス瓶。からの比重瓶,標準水 (4℃の純水) を満たした比重瓶,液体試料を満たした比重瓶,固体試料を入れた比重瓶の質量を測定すれば,これらから試料の比重や密度が求められる。簡便に固体の比重が求められるル・シャトリエ比重瓶は体積目盛りをもち,標準水を入れたとき,およびこれに質量が既知の試料を入れたときの目盛りの読みから,試料固体の比重がわかる。使用目的に応じて各種の型の比重瓶が考案されている。

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