精選版 日本国語大辞典 「比興」の意味・読み・例文・類語
ひ‐きょう【比興】
〘名〙 (形動)
[一] (━する) 詩経の六義(りくぎ)の比(ひ)と興(きょう)の修辞法。物にたとえて、おもしろく言うこと。転じて、おもしろいこと。興あること。また、そのさま。〔性霊集‐序(835頃)〕
※古今著聞集(1254)一六「下野敦末、競馬をつかうまつりけるが、十度むなばせをしたりけるを、経信大納言見られて、不幸の物の十列歟といはれたりける、比興の事也けり」
① 非理。不合理。また、不都合なこと。
② いやしいこと。つまらないこと。とるに足りないこと。そまつなこと。また、そのさま。
※異制庭訓往来(14C中)「只当世様。以二珍躰一為二風情一。以二淳朴一為二比興之義一」
※史記抄(1477)一五「かかる比興なる者を称挙して其任に、不称者をは、挙たる人を罰せんなり」
③ あさましいこと。みっともないこと。また、そのさま。
④ =ひきょう(卑怯)
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「ヤア比興(ヒケウ)なり松右ヱ門」
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