中国、晩唐の小説家、詩人。字(あざな)は柯古(かこ)。臨淄(りんし)(山東省)の出身。博覧強記の人で、家蔵の珍籍に加え、穆宗(ぼくそう)のときに宰相を務めた父の縁故で校書郎(書物校正係)に任命されたため、宮中の図書を自由に閲覧できた。その結果できたのが随筆集『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』で、当時の外交や政治の秘聞から民間習俗、科学記事までが書き留められており、唐代を研究するための傑出した資料となっている。詩人としても李商隠(りしょういん)、温庭筠(おんていいん)と並んで盛名をはせ、その詩集は七巻あったというが、いま『全唐詩』に31首余を伝えるのみである。
[野口一雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中国,晩唐時代,段成式(803?‐863)の異聞雑記集。前集20巻,後集10巻。…
※「段成式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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