残留農薬基準(読み)ざんりゅうのうやくきじゅん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「残留農薬基準」の意味・わかりやすい解説

残留農薬基準
ざんりゅうのうやくきじゅん

農産物の出荷時点で残っている農薬(→残留農薬)が,人体に影響を及ぼさない限度を示す基準。農薬使用量規制のため,厚生労働省食品衛生法に基づき農産物ごとに定めている。1960年代半ばに,DDTなどの有機塩素系農薬の有害性が国際的な問題となり,日本でも 1968年から基準づくりが始まった(→DDT中毒)。基準ではその農薬が使用されている農産物すべてを一定量食べても,農薬の摂取量の合計が,安全の目安となる許容量をこえないように農産物ごとに定められている。2006年には,一定量をこえた農薬が残留する食品の販売を原則禁止とする,いわゆる「ポジティブリスト制度」が施行された。この制度の導入によって,これまで規制対象ではなかった無登録の農薬に関しても一律基準が設けられた。

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