死灰(読み)しかい

精選版 日本国語大辞典 「死灰」の意味・読み・例文・類語

し‐かい ‥クヮイ【死灰】

〘名〙
火の気がなくなって冷たくなった灰。転じて、生気のないもの、情などに動かされない枯れた心のたとえ。
※本朝文粋(1060頃)一・貧女吟〈紀長谷雄〉「形似死灰心未死、含怨難追旧日春」
われから(1896)〈樋口一葉〉八「五十に足らぬ生涯のほどを死灰(シクヮイ)のやうに終りたる」 〔荘子斉物論
死体を焼いた灰。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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デジタル大辞泉 「死灰」の意味・読み・例文・類語

し‐かい〔‐クワイ〕【死灰】

火の気がなくなり冷たくなった灰。また、生気のないもののたとえ。
こうべを垂れて、―の如く控えたから」〈鏡花高野聖

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普及版 字通 「死灰」の読み・字形・画数・意味

【死灰】しかい(くわい)

火の気のない灰。〔荘子、斉物論〕何ぞや。形は固(もと)より槁木の如くならしむべく、心は固より死の如くならしむべきか。今の机に隱(よ)るは、昔(さき)の机に隱るに非ざるなり。

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