歩行新宿(読み)かちしんしゆく

日本歴史地名大系 「歩行新宿」の解説

歩行新宿
かちしんしゆく

[現在地名]品川区北品川きたしながわ一―二丁目など

江戸時代中期以降、品川宿を構成した三宿の一で、北品川宿の北に続く東海道沿いに町屋が並んでいた。東は海辺。品川歩行新宿ともいう。江戸初期の品川宿は北品川宿と南品川宿の二宿で構成され、宿場に課せられた伝馬の提供は両宿で負担していた。品川宿の発展とともにしだいに江戸に近い高輪たかなわ(現港区)寄りに新しい町並が形成され、伝馬宿としての人足提供を担うようになっていった。この伝馬人足を負担していたのが、北品川の善福ぜんぷく寺と法禅ほうぜん寺の両門前しん(内田新町ともいった)であり、南北品川宿と変りないので宿場に加えるよう道中奉行に訴え出た。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の歩行新宿の言及

【品川】より

…ただ農業については《宿方明細書上帳》が,宿内で手作するものはまれで,多分に入作(いりさく)にしていたと説明しているから,天保年間ころには宿方の百姓は持地を小作に出していたものであろう。 宿場としての品川宿は,宿内町並19丁40間余(2145m余)で,北品川宿,南品川宿,歩行(かち)新宿から成っていた。江戸日本橋へ2里(7854m),川崎宿へ2里半を継ぎ送りする。…

※「歩行新宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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