武者人形(読み)むしゃにんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武者人形」の意味・わかりやすい解説

武者人形
むしゃにんぎょう

五月人形ともいう。5月5日の端午節句に飾る人形。端午の節句には古くからしょうぶなどを飾る風習があったが,江戸時代の前期頃から家の前にをつくり,それに,なぎなた,のぼりなどを立て,大型の人形を飾るようになった。江戸時代中期には独立した武者人形を縁側店先など,往来から見えるところに飾るようになり,さらに後期には家の中に飾る小型のものとなって普及した。武者人形には金時や鍾馗 (しょうき) ,神功皇后武内宿禰 (すくね) ,源義経,加藤清正など,勇ましいものが擬せられる。

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百科事典マイペディア 「武者人形」の意味・わかりやすい解説

武者人形【むしゃにんぎょう】

五月人形,兜(かぶと)人形とも。鎧(よろい),兜などを着けた武人の人形で,5月5日端午節供に飾る。もと儀礼用の兜に似せて,ヒノキの薄板,紙などで作った兜を端午の節供に飾ったが,江戸時代に鍾馗(しょうき)や坂田金時など和漢の英雄豪傑を人形化したものが作られるようになった。
→関連項目人形

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精選版 日本国語大辞典 「武者人形」の意味・読み・例文・類語

むしゃ‐にんぎょう ‥ニンギャウ【武者人形】

〘名〙 端午の節供に飾る武者の姿の人形。《季・夏》
※俳諧・類船集(1676)武「舟鉾の中に武者人形をたてり」

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デジタル大辞泉 「武者人形」の意味・読み・例文・類語

むしゃ‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【武者人形】

5月の端午たんごの節句に飾る武者姿の人形。かぶと人形。五月人形。 夏》

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世界大百科事典 第2版 「武者人形」の意味・わかりやすい解説

むしゃにんぎょう【武者人形】

5月5日端午の節供に男の子の祝いに飾る人形。五月人形ともいう。応神天皇を妊娠中に三韓征伐を果たしたという神功(じんぐう)皇后と補佐役の武内宿禰(たけうちのすくね)の人形や,八幡太郎義家,鎮西八郎為朝,坂田金時,曾我兄弟,太閤秀吉,加藤清正,牛若・弁慶,さらに関羽,鍾馗(しようき)など,和漢の歴史・物語・芝居に登場する勇ましい英雄豪傑を人形化したもので,武者姿をした作品が多いのでこの名がついた。人形の種類,飾り方には時代によって移り変りが見られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「武者人形」の意味・わかりやすい解説

武者人形
むしゃにんぎょう

五月人形

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世界大百科事典内の武者人形の言及

【端午】より

…菖蒲が尚武に通じ,菖蒲縵が変化して,近世の菖蒲冑(かぶと)となった。その冑の前に人形を立て,その人形が武者人形となって,5月5日に飾り,五月人形と称せられるようになった。【山中 裕】 現行の5月5日の民俗としては,男児の初節供を祝う行事,菖蒲等で邪霊をはらおうとするもの,労働を避けて家に忌みこもろうとするもの,各種の競技等に大別できる。…

※「武者人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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