武庫郷(読み)むこごう

日本歴史地名大系 「武庫郷」の解説

武庫郷
むこごう

和名抄」所載の郷。同書東急本は「无古」と訓じる。「日本書紀」神功皇后摂政元年二月条、「住吉大社神代記」にみえる「務古水門むこのみなと」や「日本書紀」応神天皇三一年条にみえる「武庫水門」、「住吉大社神代記」にみえる「武庫国」の名称を継承する武庫郡の中心となる郷で、武庫郡家の所在地に比定される。「新撰姓氏録」摂津国諸蕃に載る「牟古首」の氏名は当郷名にちなむ。

武庫郷
むこごう

「和名抄」諸本とも訓を欠く。郷名の武庫の語源を「向うの港」という意味とする説があるが(因伯地名考)、当郷にその語義を当てはめて解し得るかは疑問の残るところであろう。現江府こうふ町の南部、西流する俣野またの川が日野川へ合流する地点扇状地を中心にし山裾にある武庫が遺称地とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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