ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武帝[南朝梁]」の意味・わかりやすい解説
武帝[南朝梁]
ぶてい[なんちょうりょう]
Wu-di; Wu-ti
[没]太清3(549)
中国,南朝の梁の第1代皇帝 (在位 502~549) 。姓名は蕭衍 (しょうえん) 。字は叔達。諡は武皇帝。廟号は高祖。南斉の皇帝蕭氏の一族であるが,その家系は第二流。南斉の末期には一地方長官であったが,挙兵して成功,皇帝の位につき,梁王朝を建てた。治世は約 50年にわたるが,その政治の大勢は,天監7 (508) 年のいわゆる天監の改革の断行とその結果とに集約される。この改革で,士族だけを官吏とすることとし,貴族層 (士族中の上位のもの) の体質改善によって高級官吏層の有能化を意図した。しかし,この改革の反動として国政の乱れが表面化し,東魏の降将侯景の反逆のなかで窮死した。当時最高の教養人であり,治世中,南朝文化の黄金時代を築いたといわれる。また仏教を深く信仰したので,名僧も輩出し,南朝仏教の最盛期を迎えた。しかし,寺塔の建立費用などで財政困難に陥り,国民に大きな負担をかけ,国力を衰退させる原因となった。
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