此間(読み)このあいだ

精選版 日本国語大辞典 「此間」の意味・読み・例文・類語

この‐あいだ ‥あひだ【此間】

〘名〙
① 近い過去から現在までの、漠然としたある期間。このごろ。近ごろ。最近。
太平記(14C後)二七「さらば此の間京中の事共をば、皆見聞き給ふらん」
② 近い過去の、漠然としたある時点。先ごろ。せんだって。過日。この前。こないだ。
義経記(室町中か)八「このあひだの狩をば栄耀の狩と思し召すや」
③ 近い未来の、漠然としたある時点。近いうち。そのうち。近日中。これから。「この間に」の形で、近い内にお目にかかりましょうの意をもって、別れのときの挨拶に言うこともある。
洒落本遊子方言(1770)発端「どふもたばこを呑んは、わるいもので御座ります。それで此間、ずいぶんたばこのみならをうと存ます」
※洒落本・辰巳之園(1770)「『サアサアそんなら、此間に』『此間に』」

こないだ こなひだ【此間】

〘名〙 (「このあいだ」の変化した語)
① ちかごろ。このごろ。最近。
※玉塵抄(1563)一八「ちかうこないた作たをば新題と云ぞ」
② 先日。過日。せんだって。さきごろ。
※洒落本・まわし枕(1789)「わっちゃあこねへだ丁からくらげへをしてきいしたから」

この‐かん【此間】

〘名〙 ある点からある点までのあいだの時間距離などをさしていう語。このあいだ。このうち。
近代文学運命(1947)〈中野好夫〉「きわめて巧妙な比喩をもってこの間の消息を解説している」

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デジタル大辞泉 「此間」の意味・読み・例文・類語

こないだ〔こなひだ〕【×間】

《「このあいだ」の音変化》
先日。先ごろ。副詞的にも用いる。「此間はお世話になりました」「此間会ったばかり」
近ごろ。最近。
「―は薩張さっぱりお見限りですネ」〈二葉亭浮雲
[類語]この前この間先ごろ先日先だって先般先度過日先夜過般いつぞや

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普及版 字通 「此間」の読み・字形・画数・意味

【此間】このかん

当方。

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