此処彼処(読み)ここかしこ

精選版 日本国語大辞典 「此処彼処」の意味・読み・例文・類語

ここ‐かしこ【此処彼処】

〘代名〙 他称。
① このところあのところ。この場所あの場所。この箇所あの箇所。
伊勢物語(10C前)九六「ここかしこより、その人のもとへいなむずなりとて、口舌いできにけり」
徒然草(1331頃)五四「うれしと思ひて、ここかしこ遊びめぐりて、ありつる苔のむしろに並(な)みゐて」
② これとあれ。
※成唯識論寛仁四年点(1020)「此彼(ココカシコ)の説、互ひに相違せず」
③ 何やかや。あれこれ。
※虎寛本狂言・皸(室町末‐近世初)「掃除などを、ここかしこに気を付て見習ふて置け」
④ この時にもあの時にも。
源氏(1001‐14頃)手習「ここかしこうちしはぶき、浅ましきわななき声にて、中々昔の事などもかけて言はず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「此処彼処」の意味・読み・例文・類語

ここ‐かしこ【×処】

[代]指示代名詞。こちらやあちら。あちこち。ほうぼう。「毎日、此処彼処を遊び歩く」
[類語]あちらこちらそこかしこあちこちおちこちそこここところどころ点点方方諸方各地各所随所

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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