正長(読み)しょうちょう

精選版 日本国語大辞典 「正長」の意味・読み・例文・類語

しょうちょう シャウチャウ【正長】

称光、後花園両天皇の代の年号応永三五年(一四二八)四月二七日に改元。正長二年(一四二九)九月五日に永享元年となる。足利義持の最晩年にあたり、正長二年三月以後足利義教将軍となる。出典は「礼記正義」の「在位之君子、威儀不差忒、可以正長是四方之国」。

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デジタル大辞泉 「正長」の意味・読み・例文・類語

しょうちょう〔シヤウチヤウ〕【正長】

室町中期、称光天皇後花園天皇の時の年号。1428年4月27日~1429年9月5日。

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日本の元号がわかる事典 「正長」の解説

しょうちょう【正長】

日本の元号(年号)。室町時代の1428年から1429年まで、称光(しょうこう)天皇、後花園(ごはなぞの)天皇の代の元号。前元号は応永(おうえい)。次元号は永享(えいきょう)。1428年(応永35)4月27日改元。称光天皇の即位にともない行われた(代始改元)。『礼記(らいき)』を出典とする命名。正長年間の室町幕府の将軍は足利義教(よしのり)(6代)。5代将軍の足利義量(よしかず)は、1425年(応永32)に嗣子がないまま19歳で没した。父の足利義持(よしもち)(4代将軍)が次期将軍の指名を拒否したため難航し、1428年(正長1)に石清水八幡宮でのくじ引きにより将軍を選定するという異常事態になった。くじ引きの結果、義量の弟の義円(還俗して足利義宣(よしのぶ)、その後義教)が次期将軍に選ばれた。義教が「籤(くじ)引き将軍」と呼ばれるのは、こうした事情による。後花園天皇により義教の征夷大将軍宣下が行われたのは1429年(正長2)。4年にわたり将軍職は空位だった。一方、朝廷では1428年(正長1)に称光天皇が崩御し、後花園天皇が即位した。同年8月から9月にかけて、畿内一帯に大規模な農民一揆(正長の土一揆)が起こった。凶作病気蔓延で窮乏するなか近江馬借(ばしゃく)が徳政を求めて起こした一揆が、大規模な農民一揆に発展。この一揆は農民が起こした初の一揆といわれた。

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普及版 字通 「正長」の読み・字形・画数・意味

【正長】せいちよう

君長。

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