正長の一揆(読み)しょうちょうのいっき

精選版 日本国語大辞典 「正長の一揆」の意味・読み・例文・類語

しょうちょう【正長】 の 一揆(いっき)

正長元年(一四二八近江坂本の馬借中心山科醍醐農民も加わった徳政一揆幕府徳政令公布を要求し、京都酒屋土倉を襲って質物奪還証文焼却などを行なった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正長の一揆」の意味・わかりやすい解説

正長の一揆
しょうちょうのいっき

正長1 (1428) 年9月室町幕府に徳政を要求して,近江,大和,伊賀,伊勢,紀伊和泉河内などの諸国で起きた一揆。近江の馬借一揆に端を発したこの一揆は,山城に波及し,山科,醍醐付近の地下人をも蜂起させ,徳政を要求して京都に乱入し,酒屋,土倉を襲撃した。幕府が一揆禁止令を出すと,さらに奈良に波及して激しく荒れ狂った。大乗院尋尊はその日記のなかで「一天下の土民蜂起す。徳政と号し,酒屋,土倉,寺院などを破却せしめ,雑物 (ぞうもつ) などほしいままにこれを取り,借銭などことごとくこれを破る。管領これを成敗す。日本国開闢 (かいびゃく) 以来,土民蜂起これ初めなり」と述べている。 (→徳政一揆 )  

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