正義党(読み)せいぎとう(英語表記)Partido Justicialista

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正義党」の意味・わかりやすい解説

正義党
せいぎとう
Partido Justicialista

アルゼンチン政党。通称ペロン党。1946~55年に大統領として公平主義を唱え独裁制をしいたフアン・ドミンゴ・ペロンもとに結集した政党。労働者層をおもな支持基盤とし,左翼からファシストまで幅広い勢力を結集する。1955年9月に起こった軍部クーデターでペロンは国外に追放されるが,なおも隠然たる勢力をもち続けた。1966年以降軍事政権が続いたが,1973年3月の民政移管選挙で正義党が第一党の座を確保するとともに,同年9月の大統領選挙では 18年ぶりに亡命生活から帰国したペロンが当選。1974年7月にペロンが病死すると妻のイサベル・マルティネス・ペロンが大統領兼党首となったが失政を重ねた。1976年3月,軍部クーデターで正義党政権は打倒された。軍事独裁に終止符が打たれた 1983年10月の総選挙では急進市民連盟急進党)に敗れ,第二党に甘んじた。1987年9月の中間選挙では第一党に返り咲き,1989年5月の大統領選挙ではカルロス・サウル・メネムが勝利した。1997年10月の中間選挙で急進党と祖国連帯戦線が組んだ「同盟」に票を奪われ,1999年10月の大統領選挙で敗れ 10年ぶりに政権を明け渡した。2001年10月の上下院選挙で両院で第一党に返り咲いた。2003年大統領に就任したネストル・キルチネルのもとで経済の立て直しがはかられ,2007年妻のクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネルが大統領に就任した。(→アルゼンチン史

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