精選版 日本国語大辞典 「正直」の意味・読み・例文・類語
しょう‐じき シャウヂキ【正直】
(「しょう」「じき」は、「正」「直」の呉音。古く「じょうじき」とも)
[1]
① (形動) うそやごまかしのないこと。かげひなたのないこと。すなおで正しいこと。また、そのさま。しょうちょく。せいちょく。
※本朝文粋(1060頃)一二・西方極楽讚〈後中書王〉「正直心地為二国界一。無漏善根為二林叢一」
※源平盛衰記(14C前)三九「年来只千手をば、正直(ジャウジキ)の者ぞと思たれば」
② 家屋の壁や柱などの傾斜を検査する道具。長い木の上下に横木があり、上の横木から錘(おもり)をたらして傾斜の具合を調べるもの。
③ 桶屋などの用いる一メートルあまりの大きなかんな。木をその上にのせ、おして削る。
※三十二番職人歌合(1494頃)二九番「結桶師の三昧正直といへるも、家業の器なり」
④ 大工仲間で、水のことをいう語。
[2] 〘副〙 気持や行動が偽りや見せかけでないさまを表わす語。本当のところ。
※人情本・英対暖語(1838)四「正直未練が残るぜ」
せい‐ちょく【正直】
〘名〙 (形動) すなおで正しいこと。偽りのないこと。また、そのさま。しょうじき。
※玉塵抄(1563)一「夏殷周の三代の正(セイ)直なただしい風がのこって」
※読本・唐錦(1780)一「正直(セイチョク)にして善を助け悪を制し」 〔春秋左伝‐荘公三二年〕
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