正信偈(読み)ショウシンゲ

デジタル大辞泉 「正信偈」の意味・読み・例文・類語

しょうしん‐げ〔シヤウシン‐〕【正信×偈】

親鸞しんらんの著「教行信証」の行巻にある正信念仏偈のこと。弥陀釈迦七祖の教えを述べたもので、真宗では和讃わさんとともに読誦どくじゅする。

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精選版 日本国語大辞典 「正信偈」の意味・読み・例文・類語

しょうしんげ シャウシンゲ【正信偈】

蓮如御文草‐文明八年(1476)七月二七日「このゆへに正信偈にいはく、憶念彌陀仏本願、自然即時入必定」

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改訂新版 世界大百科事典 「正信偈」の意味・わかりやすい解説

正信偈 (しょうしんげ)

真宗の宗祖親鸞撰述。正しくは〈正信念仏偈〉という。親鸞の著した《教行信証》行巻の末尾に収録され,七言百二十句より成る。内容は浄土三部経の意を述べ,インド,中国,日本の7高僧を賛嘆している。蓮如のころよりこの〈正信偈〉は,同じく親鸞の著した《三帖和讃》とともに,朝夕読誦する習慣が始まり,現在に至っている。蓮如は越前吉崎に在住した1473年(文明5),この〈正信偈〉と《三帖和讃》とを開版した。また《正信偈大意》《正信偈註解》等の注釈書も著している。なお親鸞の著した《浄土文類聚鈔》のなかに,〈正信念仏偈〉に対し〈念仏正信偈〉と呼ばれる七言百二十句の偈文がある。本願寺ならびに末寺では,親鸞の報恩講に同じくそれを読誦している。
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百科事典マイペディア 「正信偈」の意味・わかりやすい解説

正信偈【しょうしんげ】

親鸞の《教行信証》行巻末に収める《正信念仏偈》のこと。7言120句の詩形式の偈文。阿弥陀仏念仏を正信することおよび七高僧竜樹・世親・曇鸞道綽・善導・源信・源空)をたたえた賛歌で,阿弥陀仏の本願への信心と,念仏こそが往生正因であることを強調。真宗では在家・出家を問わず朝夕の勤行などに広く誦せられる。
→関連項目吉崎蓮如

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正信偈」の意味・わかりやすい解説

正信偈
しょうしんげ

親鸞著書『教行信証』の「行の巻」所収の偈文。「正信念仏偈」の略称。早くから真宗僧俗の間で朝暮の勤行として諷誦され,いまも行われている。三国七高僧の行実や教義によって,真宗の要義大綱を七言 60行 120句の偈文にまとめたものである。

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世界大百科事典(旧版)内の正信偈の言及

【教行信証】より

…親鸞の師法然は仏教の中から専修念仏をえらび,親鸞はそのもっぱら念仏を修するなかに,信心正因・称名報恩という立場を析出した。本書第2の行巻の〈正信偈(しようしんげ)〉に,阿弥陀仏の本願を信ずるとき,浄土に生まれることができる。浄土往生がきまった人は,つねによく名号をとなえ,救ってくださる仏の恩を感謝すべきであると,真宗念仏者の立場を明示する。…

【吉崎】より

…だがその間,北陸のみならず畿内・東海一帯からも多数の一向衆が参集,蓮如は彼らに次々とかな文字の法語消息(御文)を下付していった。1473年《正信偈和讃(しようしんげわさん)》を開版し,聖教(しようぎよう)・典籍類の選択的統一を推し進めた。74年7月には多屋衆を中心とする北陸最初の一向一揆が勃発した。…

※「正信偈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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