正体無(読み)しょうたいなし

精選版 日本国語大辞典 「正体無」の意味・読み・例文・類語

しょうたい‐なし シャウタイ‥【正体無】

〘名〙 (形動)
① 正常な精神状態でなくなること。また、そのさまやその人。転じて、役に立たない物や頼りにならない人。
※梵舜本沙石集(1283)八「或番匠が子息の童、十八九斗なりけるが、正体なしにて、をこがましき事のみ云ける」
前後不覚であること。また、そのさま。
※詞葉新雅(1792)「シャウタイナシニ泣ク よよとなく」
実体がないこと。たよりにならないこと。
大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)閏二月二七日「百六十余石御米無正体

しょだい‐な・い【正体無】

〘形口〙 しょだいな・し 〘形ク〙 取り乱した様子である。締まりがないようである。だらしない。しょうたいがない。
狂言記・笠の下(1660)「一のせどのはしょだいなひ人でえ踊らぬ」
浄瑠璃薩摩歌(1711頃)鑓じるし「おらんと云おぐしあげかみもほどけてしょだいなく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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