正丸峠(読み)ショウマルトウゲ

デジタル大辞泉 「正丸峠」の意味・読み・例文・類語

しょうまる‐とうげ〔シヤウまるたうげ〕【正丸峠】

埼玉県南西部、秩父郡横瀬町と飯能市との境にある峠。江戸時代秩父絹の輸送路。

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精選版 日本国語大辞典 「正丸峠」の意味・読み・例文・類語

しょうまる‐とうげ シャウまるたうげ【正丸峠】

埼玉県南西部、飯能市西部にある峠。近世、秩父絹はこの峠を越えて江戸に運ばれた。現在はハイキングコースとして知られる。標高六五一メートル。秩父峠。小丸峠。

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日本歴史地名大系 「正丸峠」の解説

正丸峠
しようまるとうげ

南川みなみかわ横瀬よこぜあし久保くぼを結んでいた秩父往還(江戸秩父道)の峠。標高七六六・三メートル。小丸・庄丸とも書き、南沢峠などともいった(「風土記稿」など)。昭和一二年(一九三七)この峠の南約一キロの地点(標高六五一メートル)に自動車道が開削され、同じく正丸峠と名付けられたことから、その後は二つの正丸峠が存在することとなる。開削後しばらくは車道の通る方を新正丸峠数とよんで区別していたが、最近はこちらを正丸峠、旧道側を旧正丸峠とよび分け、旧正丸峠はハイキングコースとして利用されている。

昭和一〇年正丸峠の南西約二〇〇メートルの山中から、大量の古銭の入った壺が出土した。その数およそ八千枚。大半が宋銭であったことから、峠としての利用が相当古くから盛んだったと考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「正丸峠」の意味・わかりやすい解説

正丸峠
しょうまるとうげ

埼玉県南西部、飯能市(はんのうし)北西部にある峠。標高約650メートル。現在の正丸峠は、昭和の初めに自動車道路(現、国道299号)の開通に伴いつくられたもので、以前の峠は現在地より約1キロメートルほど北寄りの所にある。1982年(昭和57)飯能市と秩父(ちちぶ)郡横瀬町を結ぶ正丸トンネル(1918メートル)が開通。交通の難所も自動車で3、4分で通過できる。江戸時代は江戸と秩父を結ぶ往還で、秩父絹の輸送路であった。現在は県立奥武蔵(おくむさし)自然公園の中心部で、レストハウスなどがあり、ハイカーでにぎわう。旧峠付近には西武鉄道秩父線の正丸トンネル(4811メートル)が通じる。

[中山正民]

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改訂新版 世界大百科事典 「正丸峠」の意味・わかりやすい解説

正丸峠 (しょうまるとうげ)

埼玉県南西部,外秩父の峠で,旧国道299号線が伊豆ヶ岳(851m)山稜を越える所にある。標高651mで,1938年に開削された。江戸時代,秩父絹を江戸へ運ぶルートであった旧正丸峠はここから1km北方にある。県立奥武蔵自然公園の中心で,伊豆ヶ岳への登山口にあたり,武甲山や奥武蔵の山々が一望でき,レストハウス,バンガローなどもあって,キャンプ場としてにぎわっていた。82年11月,北東の刈場坂峠との中間付近を国道299号線の正丸トンネルが開通したので,峠越えの道は市道となった。峠下を西武秩父線の正丸トンネル(4811m)が通り,トンネルは日本の私鉄では一番長かった(2008年現在の最長は新青山トンネル5652m)。
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百科事典マイペディア 「正丸峠」の意味・わかりやすい解説

正丸峠【しょうまるとうげ】

埼玉県西部,飯能市と秩父郡の境にある峠。江戸と秩父を結ぶ秩父街道が通じていた旧峠(標高766m)とその約1km南の自動車道路の峠(標高617m)があり,1969年秩父市へ延長した西武鉄道秩父線の正丸トンネル(長さ4811m)と1982年開通の国道299号正丸トンネル(長さ1918m)が通じる。江戸時代には江戸の住民が秩父札所参りなどに利用し,また秩父産の絹織物が峠を越えて江戸に運ばれた。東京近郊のハイキング地,キャンプ地。
→関連項目飯能[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正丸峠」の意味・わかりやすい解説

正丸峠
しょうまるとうげ

埼玉県南西部,飯能市北西部の秩父山地にある峠。標高 650m。古来,江戸と秩父とを結ぶ重要な交通路で,秩父絹などを運んだ。現在は標高 640mの新正丸峠を越える自動車道が完成。峠からの眺望はすばらしく,レストハウスや茶店がある。西武鉄道秩父線が峠下を正丸トンネル (全長 4811m) で貫き秩父市にいたる。

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