止利仏師(読み)とりぶっし

精選版 日本国語大辞典 「止利仏師」の意味・読み・例文・類語

とり‐ぶっし【止利仏師】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「止利仏師」の意味・読み・例文・類語

とり‐ぶっし【止利仏師】

鞍作止利くらつくりのとり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「止利仏師」の意味・わかりやすい解説

止利仏師
とりぶっし

生没年不詳。飛鳥(あすか)時代の仏師。鳥仏師とも書くが、司馬鞍作部首(しばのくらつくりべのおびと)止利仏師の通称。また鞍作止利(くらつくりのとり)、鞍首(くらのおびと)止利ともよばれる。中国南梁(なんりょう)からの渡来人司馬達等(しばたっと)の孫といわれているが、司馬一族は4世紀ごろに渡来した「鞍作村主(すぐり)」の子孫とする説もある。聖徳太子や当時の権力者蘇我(そが)氏に用いられ、『日本書紀』によれば、606年(推古天皇14)に飛鳥寺の釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)(飛鳥大仏飛鳥美術)を造像(止利作を否定する説もある)、623年聖徳太子と母后、妃(きさき)の菩提(ぼだい)のために法隆寺金堂の釈迦如来及び両脇侍(きょうじ)像を完成している。先の飛鳥大仏が後世の補修が多いのに比し、この三尊像はほとんど完全に残っており、光背裏の刻銘から彼の確実な作品と知られ、貴重である。作風は中国北魏(ほくぎ)竜門系の様式を取り入れながら、独自な造形感覚で日本的に整斉された「止利様式」を確立している。単純な形の大きく張った目、両端がつり上がってアルカイックスマイル古式笑い)と称される不思議な微笑を感じさせる唇、板を重ねたように堅く直線的な衣のひだなど、象徴的で力強く、威厳に満ちており、名実ともに7世紀前半の彫刻界を代表する作家であったことを示している。

[佐藤昭夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「止利仏師」の意味・わかりやすい解説

止利仏師 (とりぶっし)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「止利仏師」の意味・わかりやすい解説

止利仏師【とりぶっし】

鞍作止利(くらつくりのとり)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「止利仏師」の解説

止利仏師 とりぶっし

鞍作鳥(くらつくりの-とり)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「止利仏師」の解説

止利仏師
とりぶっし

鞍作鳥(くらつくりのとり)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「止利仏師」の解説

止利仏師
とりぶっし

鞍作鳥 (くらつくりのとり)

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「止利仏師」の意味・わかりやすい解説

止利仏師
とりぶっし

鞍作止利」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の止利仏師の言及

【鞍作止利】より

…生没年不詳。止利(鳥)仏師ともよばれるが正しくは司馬鞍作首止利(しばのくらつくりのおびととり)。南梁からの帰化人司馬達等の孫というが,4世紀ごろに帰化した司馬一族の〈鞍作村主〉の子孫ではないかと考えられ,また朝鮮(百済)からの帰化人とする説もある。…

※「止利仏師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android