歓喜おだん(読み)かんぎおだん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「歓喜おだん」の意味・わかりやすい解説

歓喜おだん
かんぎおだん

団子原形唐菓子(とうがし)の一種。清浄歓喜団が正しい名称であるが、団喜(だんぎ)とも、おだんともいう。奈良時代に中国から入り、平安時代以降は密教関係の寺院がつくり伝えてきた。歓喜天を祀(まつ)る聖天(しょうでん)様では、いまでも信者に分けられ、菓子としてはもっとも古典に属する。形は巾着(きんちゃく)形で八つのひだがあり、福徳円満と繁盛を象徴している。米粉を練った薄皮で小豆(あずき)の漉し餡(こしあん)をくるみ、油で揚げるが、餡に丁字(ちょうじ)、胡麻(ごま)、桂心(けいしん)、白檀(びゃくだん)、肉桂(にっけい)、甘草末(かんぞうまつ)など不老強精の素材を混ぜ、日もちのよいのが特徴である。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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