精選版 日本国語大辞典 「次」の意味・読み・例文・類語
つぎ【次】
〘名〙
① 後に接続すること。あとにすぐ続くこと。また、そのもの。
※古事記(712)上「天之御中主神〈略〉次(つぎ)に高御産巣日神、次(つぎ)に神産巣日神」
※源氏(1001‐14頃)賢木「春宮の御事をかへすがへす聞えさせ給ひて、つぎには大将の御事」
② あるもののすぐ下の地位。あるものの下。また、少し劣るもの。
※書紀(720)安閑元年一〇月(北野本訓)「請らくは皇后次妃(ツキノミメ)の為に、屯倉(みやけ)の地を建立てて」
※風姿花伝(1400‐02頃)三「たとひ、能は少し次なりとも、祝言ならば、苦しかるまじ」
③ 座敷に続くひかえの間。次の間。つぎのへや。
※虎明本狂言・柑子(室町末‐近世初)「わたくしもおつぎで、御酒をたべひと仰られて」
④ (馬・駕籠のつぎたてを行なう所から) 宿場(しゅくば)。駅。うまや。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)初「書編(かきつづり)たる東海道、五十三次(ツギ)の記行(みちのき)に」
じ【次】
[1] 〘名〙 順序。
※空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)一二月九日「且問、入寺諸仏事、必有二次第一否。余曰、必定一、一不レ可レ失レ次」
[2] 〘接頭〙
③ 化学で、塩基性塩(正塩を含むこともある)の混合物で、不純物の多いものや組成のはっきりしないものに冠して用いた。
[3] 〘接尾〙 回数、度数、席数などを数えるのに用いる。
すが・う すがふ【次】
〘自ハ四〙
① あとに連なる。つぎつぎに続く。連なり並ぶ。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)乙女「かういふさいわい人の腹のきさきがねこそ、又おひすがひぬれ」
② 追いついて並ぶ。匹敵する。→うちすがう。
※改正増補和英語林集成(1886)「Sugai, au スガフ 並」
③ くい違う。また、いきちがうようになる。
※散木奇歌集(1128頃)恋下「すがひてあはず かりそめにいるとや鹿の思ふらむあふひとすれば身をかくしつる」
す・く【次】
〘自カ四〙 そのあとに続く。
つぎてつぎて‐
し【次】
〘形シク〙 順序や次第が整っている。順を追っている。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「楽見(みかほ)しく雅(みさを)に次(ツキテツキテシク)、有る可きに行ひたまふ」
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