欠画(読み)ケッカク

デジタル大辞泉 「欠画」の意味・読み・例文・類語

けっ‐かく〔‐クワク〕【欠画/×闕画】

漢字字画を省くこと。特に中国で、天子貴人の名と同一の漢字を用いるとき、はばかってその字画を省くこと。清の康熙こうきいみな玄燁げんようの玄を「」と書く類。欠け字。

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普及版 字通 「欠画」の読み・字形・画数・意味

【欠画】けつかく(くわく)

欠筆。天子の筆画を略する。〔困学紀聞二十、雑識上〕の石經は孟蜀のするの高大宗の(おくりな)に於て、皆缺畫す。

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改訂新版 世界大百科事典 「欠画」の意味・わかりやすい解説

欠画 (けっかく)

欠筆(けつぴつ),欠字(かけじ)ともいい,闕画とも書く。中国唐代におこり,長上の者の(いみな)(実名)に用いられた文字と同一の文字を使うことを遠慮し,文字(漢字)の一画を省略することをいう。避諱の一つ筆順最後の一画を省くことが多い。宋代に多く,清代にも及んだという。
闕字
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世界大百科事典(旧版)内の欠画の言及

【闕字】より

…これは皇祖,皇祖妣,皇考,皇妣(天皇の祖父母と父母),先帝,天子,天皇,皇帝,陛下などの文字や天皇の諡(おくりな)は,次の行の行頭に書くもの。中国では,ほかに擡頭(たいとう),闕画(けつかく)(欠画)も行われた。前者はもっとも丁寧な方法で,敬意を表す文字をふつうの行頭より上に出すもの。…

※「欠画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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