櫓・艪・艣(読み)ろ

精選版 日本国語大辞典 「櫓・艪・艣」の意味・読み・例文・類語

ろ【櫓・艪・艣】

〘名〙 船を漕ぎ進める道具の一つ。奈良時代に中国から導入され、それまでの櫂(かい)に代わって広く普及した。中世末期までは一木造りの棹櫓(さおろ)を使用したが、近世以後は櫓腕と櫓羽の二材をつないでつくる継櫓(つぎろ)が発達した。櫓杭(ろぐい)支点として、押す時も引く時も推進力を生じる方式は、流体力学的にも効率がよく、船の推進具として櫂よりすぐれる。櫓羽には樫の木、櫓腕には椎の木を用いる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※枕(10C終)三〇六「ろといふもの押して、歌をいみじう謡ひたるは、いとをかしう」 〔呉志‐呂蒙伝〕

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