橘秋子(読み)たちばなあきこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「橘秋子」の意味・わかりやすい解説

橘秋子
たちばなあきこ
(1907―1971)

バレリーナ、振付者。本名福田サク。宇都宮市に生まれる。栃木県立女子師範学校卒業。1930年(昭和5)エリアナ・パブロワEliana Pavlova(1899―1941)の内弟子となり、4年後に第1回の発表会を催す。第二次世界大戦後の1950年(昭和25)に橘バレエ学園を設立、娘の牧阿佐美(まきあさみ)(1934―2021)をはじめ、大原永子(のりこ)(1943― )、森下洋子、岡本佳津子(かつこ)(1942― )など優れたバレリーナを育てた。1955年、1956年とA・ダニロワ、フランクリンFrederic Franklin(1914―2013)を招いて、牧阿佐美バレエ団と合同公演を行ったりした。作品には、『運命』『飛鳥(あすか)物語』『角兵衛獅子(かくべえじし)』など、交響曲を舞踊化したものや日本を題材にしたものが多い。

市川 雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「橘秋子」の意味・わかりやすい解説

橘秋子
たちばなあきこ

[生]1907.6.17. 宇都宮
[没]1971.5.14. 東京
舞踊家。本名福田サク。栃木女子師範学校 (現宇都宮大学) 卒業後,1930年エリアナ・パブロワ・バレエ団に入団。 33年バレエ研究所を開き,52年には日本で初のバレエ学校を開校。娘牧阿佐美をはじめ大原永子 (のりこ) ,森下洋子らのプリマを育成するかたわら,『白鳥の夢』『第五シンフォニー』などの作品を発表。また A.ダニロワ,F.フランクリンらを招き日本のバレエの発展に尽した。『飛鳥物語』 (1962) ,『戦国時代』 (67) などで芸術祭奨励賞を得た。バレエ界貢献者へ与えられる「橘秋子賞」がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘秋子」の解説

橘秋子 たちばな-あきこ

1907-1971 昭和時代の舞踊家。
明治40年6月17日生まれ。昭和5年エリアナ=パブロワに入門。戦後橘バレエ学校を設立し,森下洋子らおおくの弟子をそだて,自作の「運命」「飛鳥(あすか)物語」などを公演した。31年娘の牧阿佐美を中心に牧阿佐美バレエ団を結成。昭和46年5月14日死去。63歳。栃木県出身。栃木女子師範卒。本名は福田サク。

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