横紙(読み)よこがみ

精選版 日本国語大辞典 「横紙」の意味・読み・例文・類語

よこ‐がみ【横紙】

〘名〙 紙を横にして用いること。また、すき目を横にした紙。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二六「横(ヨコ)紙に書続けたる文月夜 小鷹の行衛離れ嶋まで」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「横紙」の意味・読み・例文・類語

よこ‐がみ【横紙】

き目が横に通っている紙。
紙の漉き目を横にして使うこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「横紙」の意味・わかりやすい解説

横紙
よこがみ

紙をその繊維の流れる方向とは直角に使う場合をいう。洋紙横目にあたる。一般に和紙は流し漉(ず)きで漉かれ、おもに縦揺り、すなわち前後方向に揺すられるため繊維は簀(す)の目と同方向に流れる。したがって書写印刷などに用いるときは、普通その方向が縦になるのが自然で、こよりなどをつくる場合に縦に紙を引き裂くのは容易でも、横に裂くと抵抗が多い。このことから、無理に行うことを「横紙破り」といい、この用例はすでに『平家物語』にみられる。

[町田誠之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の横紙の言及

【竪紙】より

…本来は横紙に対する言葉である。和紙は横長の漉桁(すきげた)ですくから,横長のまま用いると,すき目が竪になっている。…

※「横紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android