権門勢家(読み)ケンモンセイカ

デジタル大辞泉 「権門勢家」の意味・読み・例文・類語

けんもん‐せいか【権門勢家】

権力勢力のある家柄。けんもんせいけ。

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改訂新版 世界大百科事典 「権門勢家」の意味・わかりやすい解説

権門勢家 (けんもんせいか)

権勢のある門閥や家柄。権門勢家(〈せいけ〉とも読む)も《後漢書》など中国の古典にみえる語であるが,日本では,いずれも同じ意味で,または権門勢家と熟して,平安前期から室町時代まで,権勢ある貴族が政治的,社会的に特権を誇示している状態を指す語として,法令にも文芸にも用いられた。江戸時代には,権力ある役人あるいはそれへの奉仕接待賄賂などの意に用いられた。
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百科事典マイペディア 「権門勢家」の意味・わかりやすい解説

権門勢家【けんもんせいか】

権勢のある門閥や家柄の意。〈けんもんせいけ〉とも読む。日本史上では,平安時代9世紀末頃から〈権門〉〈権貴〉〈多勢之家〉などの用例が増加し,いずれも諸院諸宮王臣家,五位以上をさす。平安後期,藤原氏でも門地・家格の高下によって権門と寒門分化。寄進地型荘園の被寄者となった摂関(せっかん)家,有力寺社も権門勢家の一翼担い中世では武家が新たな権門となった。→権門体制
→関連項目

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「権門勢家」の解説

権門勢家
けんもんせいけ

「けんもんせいか」とも。権勢のある家。封戸(ふこ)や禄などの国家給付をうけた五位以上の貴族は,その財力をもとに荘園経営を行い,平安時代に権門・権貴などと称される院宮王臣家に発展した。彼らは墾田開発に地元の豪族・有力百姓や一般農民を組織し,また地方の小荘園主を庇護下において大規模荘園経営を実現する一方,中央政府や国衙の介入を実力で排除し,ついには合法的に不輸不入(ふゆふにゅう)権を獲得して,国家・社会の基本構成要素となった。

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