標山(読み)しめやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「標山」の意味・わかりやすい解説

標山
しめやま

神が降臨する神聖な山。また神を祀(まつ)るため設備する山型の造形物のこと。神が降臨したと信仰され、また神祭りのため神を招くための神聖な自然の山のことも称するが、兵庫県伊和(いわ)神社、射楯兵主(いたてひょうず)神社の三ツ山大祭の山のごとく、神を祀るため種々の材料でつくる山型の造型物のこともいう。

[鎌田純一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の標山の言及

【山車】より

…その起源は,平安時代の京都の諸祭礼にさかのぼる。すなわち《本朝世紀》には,998年(長徳4)の祇園会に,無骨という雑芸人が大嘗会(だいじようえ)の標山(しめやま)に似せたものを作って社頭に渡したことを記している。大嘗会の標山というのは,大嘗会のとき,庭上に設けられる2基の作り山のことであり,そこにはさまざまの祥瑞(しようずい)を表す意匠が施されていたというから,これをまねた無骨の作り物を,祭礼山車の古いかたちとみることができる。…

【人形】より

…後世この手操りの人形は浄瑠璃と提携して人形芝居にまで発展する。(3)標山(しめのやま) 近世,神社の祭礼に山車を引き回すが,これは平安時代の標山に由来する。標山は大嘗祭(だいじようさい)のときに大嘗宮の前にすえるもので,山の形を作り,松などをたて,さらに仙人などの人形の作り物で飾る。…

※「標山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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