槻（読み）つき

精選版 日本国語大辞典

つき【槻】

〘名〙 植物「けやき（欅）」の古名。

※古事記（712）下・歌謡「新嘗屋に 生ひ立てる 百足る 都紀(ツキ)が枝は」

※正倉院文書‐天平勝宝八年（756）六月二一日・東大寺献物帳「槻御弓六張」

[語誌](1)樹勢が盛んでしばしば大木になるためか、古来神聖視され、その樹下も聖域とみなされたらしい。特に、法興寺（飛鳥寺）の槻の木の下では重要な儀式や行事がたびたび行なわれたことが「日本書紀」に記されている。「万葉集」では斎槻の意で「ゆつき」「いつき」などとよまれている。
(2)平安期以降は文学作品にあまり現われず、しかもほとんどが弓の材料として扱われている。→槻弓(つきゆみ)

つく【槻】

[1] 植物「けやき（欅）」の古名。

[2] 〘語素〙 名詞「つき（槻）」の、他の語に続くときの形。「つくゆみ」など。

出典　精選版 日本国語大辞典

動植物名よみかた辞典　普及版

槻 (ケヤキ・ツキ)

学名：Zelkova serrata
植物。ニレ科の落葉高木,園芸植物

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」