構え(読み)カマエ(英語表記)set 英語

デジタル大辞泉 「構え」の意味・読み・例文・類語

かまえ〔かまへ〕【構え】

造り。構造。また、家屋などの外観。「構えの大きな家」「洋風の構えの門」
予想される事態に対処するための備え。「和戦両用の構え
即座に有効な動きができるように整えた、からだの格好。特に、武道格闘技での姿勢。「独特の構えバッターボックスに立つ」「上段構え
漢字部首の一。字の外郭をなす部分で、「門(もんがまえ)」「囗(くにがまえ)」などがある。
御構おかま2
こしらえごと。つくりごと。計略
当座の―の言葉なり」〈曽我・一〇〉
[類語](3体勢姿勢ポーズ体位居ずまい

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「構え」の意味・わかりやすい解説

構え
かまえ
set 英語
mental set 英語
Einstellung ドイツ語

多少とも一時的に、特定の環境刺激だけを選択し、その認知反応を促進する準備状態をさす心理学のことば。最初は、実験者の教示、指導者の指示によって生み出され、また統制されるものと考えられた。問題解決に際し、ある方向に探索すべきだと、なかば無意識的に構えることを決定傾向というが、特定の構えを強くとりすぎると観点変更の自由が失われ、かえって問題解決に阻害的になることがある。これを、構えの硬さという。100メートル競走に際し「用意」と合図しているとき、ピストル音がなると速やかに走り出せるが、この間隔が短すぎても準備状態はできないし、長すぎるとだれてしまう。2秒間くらいが最適といわれ、一般的には、自動車道路の交差点・分岐点とその予告標識提示場所との間隔を設定する基礎となる。

 保守または急進的な価値体系をもつ人は、一般に自説に有利な文言・事実を認知しやすく、不利なものは見落とす傾向があるが、これも半無意識的な構えの影響として、社会心理学で研究されている。

[吉田正昭]

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