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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
不法を糾断し非違を検察する意。平安後期から中世を通じて、犯人処刑、刑事裁判、警察権行使などの治安維持機能を総称する。また統治し裁判する職(『日葡(にっぽ)辞書』)も意味した。もともと検断権は朝廷に属するが、地方では国衙(こくが)、また不入権をもつ荘園(しょうえん)では荘園領主が行使するようになり、検断所、検断沙汰人(さたにん)などが置かれた。鎌倉期以降は諸国守護権に基づいて幕府が掌握し、侍所(さむらいどころ)、六波羅(ろくはら)探題検断方、守護、地頭(じとう)などがこれを行使した。検断に付随する没収財産を荘園領主3分の2、地頭3分の1に分け取ることもあった。室町以降、検断権は守護大名、戦国大名の手に移った。また畿内(きない)や周辺の郷村で自治的に行うものに自検断があった。江戸時代、東日本の村役人の名称に検断肝煎(きもいり)などがある。
[羽下徳彦]
中世で,今日の刑事的事件についての取締りと犯人に対する断罪。鎌倉時代には朝廷のほか荘園領主や幕府も検断権をもち,幕府の検断権は六波羅探題・守護・地頭らによっても行使され,御家人のなかには国衙(こくが)の検断権を継承した者もあった。室町時代以降検断権は守護大名・戦国大名の手に移った。その間畿内近国の惣村(そうそん)では,自検断とよんで自治的に検断を行う場合もあった。江戸時代には大庄屋を検断とよぶ地域もあった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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