森林病害虫等防除法(読み)しんりんびょうがいちゅうとうぼうじょほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「森林病害虫等防除法」の意味・わかりやすい解説

森林病害虫等防除法
しんりんびょうがいちゅうとうぼうじょほう

昭和 25年法律 53号。森林に発生する病虫害などの被害の蔓延の防止,駆除の目的でつくられた法律。 1950年マツクイムシ (松喰虫)が全国的に発生したのを機に制定され,その後の改正を経て適用範囲が拡大した。マツクイムシ,スギハムシ,ノネズミ,カラマツ先枯病菌など,樹木種苗に害となる昆虫類,獣類,菌類を対象とする。農林水産大臣または都道府県知事が必要と認めたとき,これらの病害虫の付着している樹木,種苗の焼却薬剤による防除,伐倒や剥皮,移動の禁止・制限などを命令することができる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の森林病害虫等防除法の言及

【樹病学】より

…森林では育林的手段による伝染源の除去,環境改善に基づく発病軽減が防除の主体となり,長期的展望の下では抵抗性育種も加えられる。 なお,マツ類材線虫病とカラマツ先枯病は〈森林病害虫等防除法〉の指定を受け,予防と駆除に関して広域的な行政対応のとられている病害である。【小林 享夫】。…

【森林保護】より

…(2)病虫害 各種菌類やウイルスの寄生によって発生するスギ赤枯病,カラマツ先枯病などの樹病や食葉性害虫のマツカレハやマイマイガ,せん孔性害虫のいわゆるマツクイムシ(松食虫),吸汁性害虫のアブラムシなどの虫害は,一度大発生があると,周囲の健全な森林まで被害を受けるため,薬剤による防除,天敵微生物を用いる生物的防除,被害木の伐倒・剝皮・樹皮の焼却を含む総合防除などを行う。マツクイムシ,カラマツ先枯病など特定の病虫害に対しては〈森林病害虫等防除法〉の適用があり,国の補助によって防除が行われる。(3)動物による害 獣害は10年未満の造林地でしばしば問題になるが,ノネズミ,ノウサギなどの小動物は,天敵動物による捕食,わなによる捕殺,薬殺などの対策がある。…

※「森林病害虫等防除法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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