棘路(読み)きょくろ

精選版 日本国語大辞典 「棘路」の意味・読み・例文・類語

きょく‐ろ【棘路】

〘名〙
① (中国で、大臣の座の左右におのおの九株の棘(いばら)を植えて公卿の座としたところから) 公卿(くぎょう)①の異称
※本朝文粋(1060頃)一〇・古廟春方暮詩序〈大江以言〉「即以槐市之棟梁。遂為棘路之翹楚
大納言の異称。
百寮訓要抄(1368‐88頃)「大納言〈龍作・喉舌・棘路〉天下喉舌の官也」
③ 草やいばらのおい茂った道。おどろの道。

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デジタル大辞泉 「棘路」の意味・読み・例文・類語

きょく‐ろ【×棘路】

《昔、中国で9本のいばらの木を植えて公卿の座を示したところから》公卿の異称。
「いにしへは槐門―の間に九族をなびかし」〈平家一一

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世界大百科事典(旧版)内の棘路の言及

【公卿】より

…鎌倉時代以降,公卿の員数はますます増大したが,一方,家格の形成に伴い,公卿に昇る上流廷臣の家柄もしだいに固定し,江戸時代には,その家柄に属する廷臣の総称として,公家とほぼ同じ意味にも用いられた。上達部(かんだちめ),卿相(けいそう),月卿(げつけい),棘路(きよくろ)などの異称もある。【橋本 義彦】。…

※「棘路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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